images[4]柔道とは、倒れるたびに笑顔で立ち上がるもの。

これは私が数年前に弟子に与えた、初めての文字での教えです。今日までの私の柔道のあり方を文章でまとめたものの、最初の一文です。

あなたが笑顔で立ち上がるということは、おそらくほんの一瞬前に起こったことは素晴らしいもの、 パートナーが研究の中で生み出した素晴らしい動き、思考と行動の卓越性によって導かれたものであり、自尊心を高め、ぜひ自分も同じことをしてみたいと望むほど美しいものだったことを意味します。

心のこの状態は、倒されたことを”負け”と理解するのではなく、受ける側からそのテクニックを学ぶことを助けます。あなた方の柔道を理解し、改善するための貢献としてそれを受け入れるということです。

しかし、あなたが倒されたことに憤りを感じ、ついさっきの動きに対してイライラしながら立ち上がるようなら、あるいはそこから学ぼうとするのではなく、心の中で反発しているのなら、パートナーがまた攻撃することのないようなやり方で相手を撥ね付けることになるでしょう。

それは教えを最大限受ける、あるいは実践から益を得るために、適切な心構えではないと断言できます。真摯な態度で相手の前に立ち、お互いが上達するという明確な目的に寄与しながら、相手の動きに対応する練習をし、お互いが上達を求めてパートナーのレベルを上げるようでなければならないからです。

これを書きながら、”鏡磨き”(精力善用国民体育の形)をするときに心の中で繰り返すために書かれたという詩を思い出しました。

「人生は善を行うための戦いである。

そして、対峙する恐ろしい敵、

目に見えない、私たち自身の心の中に隠れているそれは、

利己心である。

心が悪からあなたを解放するようにように、鏡を磨く。

外にいる敵と、

目に見えない、あなたの体と心の成長を妨げる敵との戦いのように

練習するのだ。」

次回は「柔道〜仲間を投げる度にすぐ忘れてしまうもの」でお会いしましょう。
大日本武徳会範士 アルフレード・ヴィズマーラ

Translation of Noriko Habuki